私が産業医として担当する事業場には、下記のことを助言しました
未知の病原体のため、情報が日々変わること
公的機関が発信する情報をアップデート入手してください
決してワイドショーを鵜呑みにしてはいけません
視聴率にこだわるあまり、センセーショナルなことを放送し、科学的根拠に乏しいことを放送していることが医療従事者の間では危惧されています
厚生労働省、国立感染症研究所、感染症学会、産業衛生学会のウェブサイトから情報を入手しましょう
ワイドショーでは、「専門家」としてさまざまな人を招へいしていますが、必ずしも「専門家」でないことがあります。今回の「感染症治療、感染症管理、感染症対策」の専門家は下記の方々です
- ①感染症を発症した人の治療にあたる人⇒臨床感染症内科医
- ②感染症の原因微生物の性質を探る人⇒微生物学者・ウイルス学者・細菌学者
- ③感染症の広がり方を探る人⇒感染症疫学者
- ④感染症が市民に与える影響を探る人⇒公衆衛生学者
- ⑤感染症の検査を研究・開発する人⇒免疫学者、②
- ①は、日本感染症学会が認定する専門医等で、現在も患者を診る最前線にいる医師
- ②は、必ずしも医師免許は不要だが、原因微生物の性質分析は他科の医師はかなわない
- ③も④も必ずしも医師免許は不要だが、統計学・数理モデルに詳しい研究者であることが多い
日本のマスコミは、視聴率と話題性を重視するあまり、①~⑤のどれにもあてはまらない人物を専門家として招聘していることがありました。その人物が「科学的でない自説」を説くため、混乱が生じたりしています。こうした「自称専門家」の意見を真に受けないようにしたいものです