新型コロナウイルスの感染者数を日々報道され、不安に感じている方もいると思います。先般も「情報を日々アップデートしましょう」と記事にしました
今回は検査について、状況が変わってきたので記事にしたいと思います。とくに抗体検査についてです
先に結論を書いておきます。2020(令和2)年4月22日11:00現在わかっていることを記載します
- 検査は「その解釈が確定」されて初めて意味をもつ(現時点では解釈が確定されていない)
- 抗体検査はすでに「開発は」されている
- 日本の国立感染症研究所が公表している研究では、「抗体があると検出できるのは発症から13日前後であり、ペア血清を用いた評価になる可能性がある」としている
- 「抗体がある」ということと、「新型コロナウイルスに感染しない」ということはイコールではない(現時点で確認されていない)
「解釈」の部分。検査結果をどのように解釈するか、が確定している感染症では以下のように使われます。COVID-19では現時点で確定していません。たくさんの研究が必要です
- 「○○抗体があるから、この病気には一生かからない」
- 「○○抗体が基準以上あるから、予防接種をうつ必要がない」
- 「○○抗体が基準以上になっているから、この病気になっている(なっていた)と診断できる」
次に国立感染症研究所の研究の部分。「明らかにCOVID-19と診断された患者の血液から抗体が検出されるか調査したところ、発症6日後まで抗体の検出は難しく、発症13日以降になるとほとんどの患者で血清中のIgG抗体は陽性になった。このことから、発症6日までの抗体と、13日以降の抗体を比較して、一定以上高くなっている場合に「感染していた」と判断することには使える可能性がある」という発表。この、時期をずらした抗体の比較を「ペア血清」と言います。ここで大事なのは、「感染していた」という評価に使えそう、ということ。「今感染している」という評価に使えそうにない、ということです。さらに感染症学会のウェブサイトに公開されている研究発表でも、4人の患者の調査と情報量として少ないですが、「今回検証した 抗体検査キットでは、COVID-19 の早期診断に対する意義は低い」としています
最後に、解釈とも通じますが、「抗体があることの意味」です。現時点で「抗体があるから感染しない」ということはわかっていません。繰り返しますが、「わかっていない」のです。未知のウイルスすぎて、何もわからないのです。ですので、抗体検査を受けた結果が陽性であろうと陰性であろうと、その評価が確定するまでは何とも言えません。こうした評価については、世界中の研究者が全力をあげて調査しています。もどかしい気持ちもわかりますが、ワイドショーなどの情報にとびつくことなく、冷静に公的機関が発信する情報を注視しましょう