産業医は事業場から選任された状態の医師を呼ぶので、必ず「事業場名」が前につきます
だから、「 産業医インタビュー」とか「 産業医が語る」というのは厳密には誤りです
その誤りをおかす最たる原因が、 産業医業務をメインにしている医師に「●●科」という標榜科がないためです
世の中で最も多いとされる嘱託産業医は、ベースは内科医とか精神科医です
だから、何科のお医者さん?と聞かれれば「内科医です」、「精神科医です」と答えられるのです
こういったことを「標榜」(ひょうぼう)と言います
でも、 産業医学、産業保健、労働衛生、産業衛生だけを専門にしてきた医師は、厳密には内科医ではありません。外科医でも耳鼻咽喉科医でも精神科医でもありません
もちろん、内科医や外科医として研鑽を積んだけども、今は一切病院に勤めていないし患者を診ることはない、産業医業務だけをやっている、という医師もいます。彼らはきっと、「もともと内科医でしたが、今は産業医です」と答えてしまうのでしょう。厳密にいえば、「もともと内科医でしたが、今は〇〇事業場の産業医です」と名乗るのがスジです
産業医業務だけをやっている医師にも標榜科があれば、胸を張って「●●科医です」の名乗れるのです
そこでツイッターで呟いてみました。いい案はないかと
するとある先生が「私は職業病科医と名乗っている。意外にわかってもらえる」と返信してくださったのです
おおこれはいい!
私は産業医です、ではなく、職業病科医ですと名乗る
職業病科医インタビュー、職業病科医が語る、とてもいい響きです
ぜひともこれがメジャーになることを切に望みます