健康保険組合の解散

投稿者: | 2019年9月26日

人材派遣健保が2019年4月1日をもって解散しました

加入者約40万人は協会けんぽが引き受けることになります
解散した健保に入っていた人を引き受けるのは、健康保険法26条に規定されています

人材派遣健保の名前を知ったのは、「NTT健保の加入者を抜いた」というニュースでした
それだけクライアント企業に派遣される労働者も、それを支える人材派遣会社のコーディネート従業員も増えているということなのだ、と改めて実感したのを覚えています

それがここにきて解散
それだけ財政がひっ迫していたということなのでしょう

報道にあるように、「高齢者の医療費を支える拠出金も増えて耐えきれなくなった」ことが要因とは思いますが、現場で労働者と面談をする者としては別の要因を懸念しています

メンタルヘルス不調による傷病手当金の支給増加、です

私は社労士ですが、産業医業務もしているので、派遣されて働く労働者と接する場面は「産業医面談」です。多くはメンタルヘルス不調の休復職関連です。そういった場では、たとえ常用雇用といっても、派遣先の従業員から受ける圧力があることを如実に感じます
そりゃメンタルヘルス不調になってしまうよ、と思ってしまうような凄惨な現実があるのです

そうなると、傷病手当金の支給が人材派遣健保に課せられます
傷病手当金の支給も財政悪化につながっているものと懸念されます

財政がひっ迫している健保組合は7割とも8割とも言われています
今後も解散する健保組合があってもおかしくありません